頸椎ヘルニアの治療として、手術をしない場合、保存療法が行われます。
このページでは、そんな、保存療法に関するお話ご紹介したいと思います。
私が実際に経験したこともからめつつ、「そもそも保存療法って?」「保存療法中に処方される薬とは?」「保存療法中に行っていたリハビリ」「牽引療法はやった?」「コルセットはつける?つけない?」など。
首の経過についても。
そもそも保存療法とは?
まずは、今回ご紹介する保存療法ってなあに?というお話から。
…実はこれ、「療法」なんて、なんだか大げさな感じに書いていますが、要するに「首を安静にして様子を見る」という治療法。
ヘルニアは自然にひっこむ
というのも、ヘルニア自体、「時間がたてば自然と引っ込んでいく」という、経過の悪い病気ではないから。ゆえに、ヘルニアに関しては保存療法が有効な場合が多いんですね。
しかも、私の担当医師曰く「ちょっとだけ出ているヘルニアよりも、逆に、ガンッと出ているヘルニアの方が、体が異物と判断しやすく、ワリと引っ込みやすいんだよ」との事。
私の場合も、上記写真のように↑、ヘルニアがわりかし綺麗に飛び出しちゃっていた事、かつ、運動障害が出ていなかったため手術がマストではなかった事もあり、保存療法という選択をしました。
通常は3か月ほど様子を見る
様子見の期間は、通常3か月ほど。
この期間中で、多くの患者さんが改善するそうです。
この3か月間は(これまたセカンドオピニオンでお世話になった医師の言葉を借りると)「薬で時間稼ぎをして、その間に自然とヘルニアが引っ込むのを待つ期間」とのこと。
保存療法中の処方された薬は?
さて、そんな、時間稼ぎ(笑)のため使用された薬は以下です。
トラムセット(痛み止め)
ヘルニアは痛みが激しい病気…。
私も、結果入院することになったその当日は「救急車を呼ぼうかしら…」と一瞬思ったほど激しい痛みを経験しました。
ゆえに、処方された痛み止めも、今まで聞いたことがなかった(!)トラムセットというお薬。
吐き気、眩暈、便秘といった副作用があるため、一緒に吐き気止め(プリンペラン)と、便秘薬(マグミット錠)も出ていました。
エチゾラム(睡眠導入剤)
また、筋肉の緊張をとったり、不安や緊張をやわらげるエチゾラムという薬も重宝しました。
肩こりや睡眠障害などに対応する、安定剤、睡眠導入剤です。
メコバラミン(神経修復)
神経修復作用のあるビタミンB12。
ヘルニアによって傷ついた神経を修復して痺れや痛みを改善するお薬です。
リハビリ
保存治療中は、首の様子を見ながら出来る範囲でリハビリも行っていました。
・右手の痺れに慣れ、その状態で生活しやすくする
・首に負担をかけづらい正しい姿勢を保つインナーマッスルを鍛える
・首に負担をかけている歪んだ体幹を矯正する
・首に負担をかけない寝姿をチェックし、実践する
といった訓練がメインでした。
詳細は、頚椎ヘルニアのリハビリ(予防法)のページで紹介していますので、ぜひチェックを。
牽引療法
比較的症状が軽い場合は、保存療養中と並行して、首を引っ張る牽引療法を行う事もあるようです。
ただし、私の担当医師は、牽引療法は行わない方針という事で、私は体験しませんでした。
本やネットで色々と調べた結果、最近では否定的な医師が多いような印象を受けました。
コルセット(ネックカラー)
保存療養中には、首を安静にするためにネックカラーを用います。
入院当初は、とにかく頭を支えるのがつらく、常に緊張状態にあった私の首…
ヘルニアの痛み&肩こり、そして横になる事も出来ずに気が狂うかと思うほどしんどかった(笑)
コルセットをつけることで、前(のど側)の部分に、はじめて首の重さを預ける事が出来、コルセットに感謝したのを覚えています。
ただし、痛みが引いてからは、つけていることの方が苦痛が多くなったため、医師、そしてリハビリを担当してくださった理学療法士に相談し、使用を中止しました。
ネックカラーを常用することで、逆に首の筋肉が衰えるという考えもあり、ネックカラーの使用については症状を見ながら、医師と相談しつつ、使い方を決めるのがいいかな、と思います。
保存療法 3か月経過したMRI画像を比較
…というワケで、最後に、3か月経過したMRI画像を紹介します。
左が入院当初(before)で、右が3か月後(after)の画像です。
赤丸の部分、ヘルニアがかなり引っ込んできました。
症状に関しては、右手の痺れがしつこく残っているものの、痛みは改善し(うっかり走っちゃったりするとズキズキしますが…)ています。
頸椎ヘルニア 保存療法のまとめ
・運動障害が出ていない場合は、手術せず、保存療法を行うことが多い。
・その期間は、薬で時間稼ぎをしながら3か月ほど。
・その間、並行して、首に負担をかけないリハビリを行う
・並行して牽引療法を行う事もあるが、否定的な医師も多い
・保存療法により多くの患者が改善している